感覚派アスレティックトレーナー  身体と会話する日々
マッサージ師、鍼師であり、アスレティックトレーナーでもあるフィジカル系職人が、身体について、スポーツについて、その他よしなし事について綴る、教養系?ブログ
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コンディショニングとしてのアイシング
最近は、サッカー関連でエントリーを書くことが
比較的多くなっていますが、
今回もデンマーク戦の勝利に関連して、
思いついたことを書きます。

実は、日本有利の状況であった割には、
私はデンマークに負ける可能性の方が大きいと思っていました。
予想に反して日本が勝った主要因の一つに、
日本代表選手の身体的コンディションが良かった点が
上げられる思います。
そこで、その点について、
私の別ブログ『答えは身体が知っている』に書いた記事を
こちらに一部書き直して転載してみようと思います。
語尾はこちらのブログにあわせて「です・ます調」に変えました。

ー(原題『サッカー日本代表のコンディショニング』)ーーーーーーーーーーーーーーー

スポーツ・運動の後には、クーリングダウン
疲労回復やコンディショニングのために大切であることは知られています。
そのクーリングダウンの方法にアメリカから取り入れた手法が
スポーツ界では取り入れられ始めています。
それは、運動後、筋肉をできるだけ早く冷却してしまうという方法です。

筋肉冷却というと、
野球の試合後にピッチャーが
肩などをアイシングしている姿を思い浮かべるかも知れません。
運動後のアイシングなど、
もうずいぶん以前から取り入れられているじゃないかと
思うかも知れません。
しかし、あのアイシングとは似ているところもあれば、
目的や性質が全く違うのです。

運動後のアイシングは、以前ケガをしたことのある部位や、
ピッチャーの肩など傷害の発生しやすい部位を
予防的に冷却しようというもの
です。
僕が紹介するのは、そいいった局所を冷却するのではなく、
できるだけ使った筋肉全体(全身)を冷却してしまうというもので、
それによって疲労回復を速くするという目的で行うものです。


実は、筋肉は激しい運動後にクーリングダウンをしても、
筋温(筋肉の温度)は数時間も上昇したままで、
なかなか下がってこないのです。
筋温が高いということは、                           ※1
筋肉内の細胞の代謝が上がったままであるということであり、
それは筋肉内により多くの酸素を必要とするということです。
酸素が必要もない高い細胞活動(<代謝)に使われ、
筋肉内の余分な乳酸を分解するのに必要な酸素が不足し、
なかなか筋肉内の乳酸を減らせないということになります。
その他、代謝が活発に行われていることによって、
壊れた筋肉細胞の再構築が遅れることになります。
これも、必要な酸素・栄養(アミノ酸等)・エネルギーが
必要もない代謝熱産生などに使われたり効率が落ちるからです。

そこで、氷や水を使って運動後速やかに筋温を下げてやると、
休憩中に筋肉内の乳酸濃度がより下がったり、
休憩後の再運動の運動量が下がりにくくなる(疲労した/回復した)
などのことが実験でもわかってきています。

具体的には、運動後できるだけ早くそして短時間で効率よく冷却するため、
浴槽や大きなポリバケツ等、
身体や下半身を浸せるような大きな容器に水と氷を入れ、
そこに全身や下半身を3、4分~7、8分程度浸して冷却する
のです。       ※2
そのような大きな道具がない時は、
アイシングの時のようなアイスパックを作り、
それで筋肉の上を擦るように振り動かしながら
大きな範囲を移動させていく
アイスマッサージを行うこともあります

ストレッチングなどは、その後に行えば良いのです。

こうしたクーリングダウンに利用するアイシングは、
その日の最後の運動後に行うだけでなく、
午前・午後と二部練習があるときなら、
それぞれのクーリングダウンに行なっても(行なった方が)良いのです。
あるいは、サッカーであれば試合のハーフタイムの時に
2~3分でも良いからやることで、
後半の疲労を軽減できます
(可能性があります)。                ※3

私がこの方法をはじめて知ったのは、10年ちょっと前だったでしょうか、
陸上競技関係のトレーナー国際武道大学山本利春先生)の話からでした。    ※4
山本先生がアメリカの陸上競技会で
そうしたアイシングを行っている現場を目にし、
興味を持って研究を始めたそうです。
山本先生の元で科学的に実験をして、                      ※5
疲労軽減/回復効果が認められているそうです。
何年も前から、関東インカレなどで各大学が行うなど、
陸上界ではよく目にするようになりました。
群馬でも高校生が競技会のレースの合間(後)などに
屋外の水飲み場で流水によって足を冷やしているのを目にします。
(私はこれについては何も教授や関与をしていません。
 水道水は効率が悪いし、エコじゃないですから。)


実は、私は一昨年か昨年かに、
テレビで(?)サッカー日本代表がスタジアムのロッカールーム(風呂場)で
このアイシング(氷水の風呂)をしているらしい映像を見た覚えがあります。
監督が誰だから~ではなく、
メディカルスタッフ(特にアスレティックトレーナー)には
こうした最新の知識があるから、
代表選手のために取り入れたのでしょう。
このクーリングダウンとしてのアイシングが、
あるいはハーフタイムでの筋肉アイシングが、
このワールドカップでも日本代表表選手に行われているのではないかと
想像しています。




※1 筋温が高いということは、~

この段落でのこの文以下の説明には、
幾分断定的に言ってしまうべきでないこともある。
何故なら、運動と運動の間(第1運動の直後)に筋をアイシングをすると、
全運動後の血中乳酸が低くなることも
アイシング後の運動での運動量の低下が押さえられることも
実験で報告されているが、
その理由については推定に過ぎないからである。
その点は注意してもらいたい。

なお、この記事で書いた文の内容は、
例えば山本利春先生の文章を読んで書いた部分があっても、
その内容は私の記憶や解釈、さらに僕の考察が含まれていて、
山本先生の研究およびその報告そのままの内容と言う訳ではない。


※2 大きな容器に水と氷を入れ~全身や下半身を3、4分~7、8分程度浸して冷却する

実はここに書いた時間は適当である。
筋肉は表面だけ冷えても、深部から熱を産生している限り、
冷却を止めればすぐに高温となる。
しかし、冷やし過ぎ(時間が長過ぎ)てもいけない。
通常のアイシングよりも短く済ませることが大切である。
冷却方法や選手の体格・筋量、耐寒性などを考慮して、
色々と試した上で個々のケースに最適な時間を割り出すべきである。
まあ、とりあえずは冷却の中は3分以内、
アイスマッサージは5分以内を目安として始め、
それを個々の判断で増減していけば良いのではないだろうか。


※3 サッカーであれば試合のハーフタイムの時に~(可能性がある)

実験では効果の出る可能性が高いことがわかっていても、
個人差があるので何でもその通りになると思っては困る。
試合で粋なる試してみるなどというのは
リスク管理ができない悪例である。
必ず、ゆとりのある練習時などに行ない、
適する方法や時間などを選手一人ひとりに掴ませた上で
試合時に適用するべき
である。


※4 私がこの方法をはじめて知ったのは、山本利春先生の話から

こう書きはしたが、講演で聞いたのかどうか覚えていない。
もしかしたら、著物を読んだのかも知れない。


※5 山本先生の元で科学的に実験

山本先生が『トレーニング・ジャーナル』誌(ブックハウスHD)に
連載していた『現場に役立つ測定・評価の実際』のタイトルリストの最後に、
運動後のアイシングの効果を測る
  ―クーリングダウンとしてのアイシングがパフォーマンスに及ぼす影響―
(1998年5月号)と言うタイトルの回があります。
この中に実験の内容が紹介されていると思われます。
また、「からだを冷やせ!」と題したPDF書類の真ん中辺りの
コンディショニングとしてのアイシング?>という項では
クーリングダウンとしてのアイシングの効果を調べた
実験結果(恐らく山本先生の実験)について
簡単に説明してある。
(同PDF書類は『トレーニング科学研究所』の「Library」を開き
 ”アイシング”をクリックすれば見られる。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とても、簡単な方法ですので、
高校生以上のアスリート、スポーツの指導者御さん方に
是非知っていていただきたいと思います。
最もこの方法に詳しいのは、文中で紹介した山本利春先生だと思います。
先生の書いた書物、雑誌等の掲載文、論文等を探して読むと
より適切な方法がわかるのではないかと思います。
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テーマ:2010年FIFAワールドカップサッカー - ジャンル:スポーツ

漫画『フットボールネーション』の中のインナーマッスル 3
漫画『フットボールネーション』の中での
インナーマッスルの取り上げ方をいろいろと批判してきました。
今回が、その最後です。


フットボールネーション』では、主人公の対戦チームの選手が
体幹を鍛えた」と自慢げに話すシーンがあり、
その現れとして見事に割れて盛り上がった腹筋をしています。
ところが、この漫画では腹筋をアウターマッスルと分類し、
そのトレーニングがパフォーマンスに役立たないと言う風に描かれています。

ここで、私は戸惑ってしまいました。
体幹を鍛えることは良い!
体幹が安定し、自由にコントロールできるようになると、
ボディ・バランスが向上し、
上肢・下肢の動きもコントロールしやすくなり、
スポーツ場面でのパワー発揮が容易になるからです。
ただし、前にも書いたように
腹筋と言っても深部腹筋腹横筋)を鍛えることなしでは                ※1
体幹を鍛えたことにはなりません。
その意味では、この漫画で盛り上がった腹直筋を見せて、
それが(期待ほどには)役に立っていないと言う描写は正しいでしょう。

しかし、この漫画では、腹筋すべてをアウターマッスルだとしていて、
体幹の意味するものを掘り下げていないから、
体幹トレーニングは役に立たない」と誤解されてしまいます。
このように、片手落ちの表現だったので戸惑いましたし、
そのような誤解を招く描き方は我慢できません。

この漫画では、世界サッカー先進国では
アウターマッスルではなくインナーマッスルを鍛えているとして、
その例としてスペインを挙げています。
しかし、世界の一流プレーヤーの裸体をみれば、
この漫画で言うアウターマッスルである大胸筋や広背筋、
腹直筋、内・外腹斜筋、大腿四頭筋などが発達しています。
ウエイトリフターや格闘家や体操選手、ラグビーのフォワード、
陸上や水泳のスプリンターと比べるのでなければ。
要は、何度も言いますが、
インナーマッスル”や体幹の深部の筋を、
アウターマッスルと共に鍛えているだけです。
その意味では
Core stabilityコア・スタビリティ=体幹部の安定性)を重視したトレーニングや
身体各部のコーディネーションを重視したトレーニングが
取り入れらるようになったと言えるでしょう。
それを、インナーマッスルのトレーニングと呼ぶのは、
適切とは思えません。

スペインの代表的なディフェンダー、バルセロナFCプジョル選手は、
バルセロナFC入団前に所属していたクラブで、
重量物(鉄製の器具など)を用いた
一種のウエイト・トレーニングで徹底的に鍛えられていたことが
以前NHKのテレビで紹介されました。
日本で言う中学生~高校1、2年生くらいのことだったと記憶しています。
プジョルは、そのトレーニングの成果が
バルセロナFCへ入団でき,
その後トップチームへ昇格した大きな要因だったと回想していました。
こうした重量物=一種のフリーウエイトを使ったトレーニングは、
適切に行えば”インナーマッスル”も”アウターマッスル”も
そして何よりもコア・スタビリティが鍛えられると考えるが、
この漫画的な発想で言えば
アウターマッスル”を鍛えて一流になった選手がスペイン代表にいることからも
この漫画での説明がスペインの現状の正しい認識に立っていないことがわかる。


今回を含む3回のエントリーで、
漫画フットボールネーション』の内容を批判してきたました。
サッカーに限らずスポーツのパフォーマンスに結びつくトレーニング、
よりヒトの身体運動のパフォーマンス向上に役立つトレーニングとして、
今までのトレー二ングのあり方が見直されてきたことは確かでしょう。
その見直しが行き過ぎたものになって、
従来型の(特に)ウエイト・トレーニングレジスタンス・トレーニング)の全否定や、
インナーマッスル”万能主義みたいな主張になることに、
「それは誤解である。」と修正を求めたいというのが、
この漫画の内容に対する私の批判の真に意図することです。
そもそも、日本のスポーツ界にあって、
本格的にウエイト・トレーニングレジスタンス・トレーニング)が導入されたのも、
そう昔のことではありませんでした。
サッカーにおいても、
Jリーグが始まってから本格的な導入が勧められたのではないでしょうか?        ※2
トレーニングの効果や限界と
トレーニングとスポーツパフォーマンスの関係について、
短絡的な見方をしないでより妥当性のある情報を集めて
総合的な理解をして欲しいと思います。

ちなみに、この漫画は、
身体科学総合研究所高岡英夫氏の協力を得て
描かれているようです。
高岡英夫氏はゆる体操を考案したことで有名で、
私もその点は非常に優れた業績だと思いますが、
この方の運動理論、身体理論というものは
どうにも”怪しい”というか”眉唾”だと感じています。
特に、20年くらい前には身体科学研究所を主催し、
トレーニング・ジャーナル誌にもよく紹介されていましたが、
この方の理論は”科学の枠組み”には入らないものでしたので、              ※3
それなのに自分の研究所(?)の名前に”科学”を冠するのが納得できません。

フットボールネーション』および作者の大武ユキ氏は、
高岡英夫氏離れをした方が良いのではないかと思います。


※1 深部腹筋腹横筋)を鍛える

深部腹筋腹横筋)を鍛えるを鍛えると書いたが、
腹横筋だけを使う運動やトレーニングはあまり考えられない。
呼吸筋なので息を吐く時にお腹を引っ込めながら吐くと、
腹横筋が収縮していることになる。
トレーニングを積んで慣れないと、
意外にお腹を引っこめながら息を吐く(腹横筋を収縮させる)のは難しい。
それなので、鍛えるという以上に、
「意識できる」「意識して使えるようになる」という言い方もできる。

大事なことは、腹横筋に代表される体幹深部の筋を、
身体を使ういろいろな運動の中で
他の筋と協応させながら働かせる感覚を掴み、
あらゆる運動の中で活かせることである。
ピラティスの6つの原則のうちの
Centre/Core とか Control/Co-ordination とかが
これに当てはまるであろう。

ところで、腹横筋を使ってお腹を引っ込めて息を吐くと言うのは、
ドローイン』という方法と同じかも知れない。
もっとも、私はドローインを教わったことがないので
うかつなことは書けないが。
私の場合、この呼吸法(お腹の動き)をやると
両方の鼠径部の少し上辺りが鈍く痛む。
私の硬い腸腰筋が圧迫されているか、
伸ばされているかしているのだという気がする。


※2 ウエイト・トレーニングはJリーグが始まってから本格的に導入された?

私は、93年の夏頃、JFL時代の京都パープルサンガの数人の選手が、
マシーンでのウエイト・トレーニングをしているのをみたが、
いい加減なやり方であった。
95年春~夏には
読売SC読売ヴェルディ)(当時/現東京ヴェルディ1969)のクラブハウスで、
また、96年の宮崎では
横浜マリノス(当時/現横浜Fマリノス)のキャンプで、
トップチームの選手達がウエイト・トレーニング(マシーン)を
している様子を幾度も見たが、
まだまだ選手自身がやり方を理解していない面が
多々あるように感じた。


※3 科学の枠組み”には入らない

私自身、高岡英夫氏の書いたものを
あまり読んではいないのだが、
スポーツ科学スポーツ心理学などの既存の研究者と共通する用語を使わず、
まったく新しい用語や概念を創出し、それに基づいて論述している。
従来の概念や用語が当てはまらない、あるいは適当でないなら、
そのことを論述した上で新しい概念や用語を提唱すべきであるし、
その新しい概念が良いと認められれば、
追随する研究者が現れ、活気のある研究分野あるいは
研究領域が形成されるはずである。
しかし、私のつたない知識では、そうした動きはみられないし、
高岡氏自身が
学会や研究誌等で論文発表等、
一般的には(科)学者なら行う研究行動は見られないようだ。

トレーニング・ジャーナル誌上では、
新幹線内で呼吸法の鍛錬をしていたら、
10回ほどの呼吸しかしないうちに新横浜から名古屋に着いていたとか、
生まれてはじめてのスキーでウエデルンまでできたとか、
ちょっと荒唐無稽とさえ言えそうなエピソードを語っていたので、
ますます”いかがわしさ”を感じさせられる。

また、近年ディレクト・システムなる理論(?)を提唱し、
一流アスリートの動きを解説しているが、
この理論がまた理解不能な独自の体系で構築し、
通常のスポーツ科学バイオメカニクススポーツ心理学運動生理学、etc)を
学んでもいっさい理解できないと思われる。

女子マラソン世界記録保持者のポーラ・ラドクリフ
男子陸上100m、200m世界記録保持者のウサイン・ボルトの走りを
”トカゲ走り”と呼んでいるが、
爬虫類のトカゲと人間(哺乳類以降)では骨格構造が違う。
トカゲがクネクネ動くのは、四肢が体の側面に張り出している所為だし、
太く長いシッポの所為だ。
人間でも走る時、脊柱が横方向にたわみ、
骨盤や肩が左右で互い違いに上がり下がりするのは確かだが、
爬虫類ほどではないし、その揺れが大きい方が有利などとは言えない。
まして、大殿筋ハムストリングが(多分弱く)上手く使えないラドクリフは、
体幹の前後運動を利用して推進力の助けにしていると思われるので、
大殿筋ハムストリングの強い推進力を利用でき
大腿の腱やアキレス腱の弾性力を利用するボルト
同じ走法にくくるのはバイオメカニクス的には無理であろう。



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漫画『フットボールネーション』の中のインナーマッスル 2
前回、漫画誌「ビッグコミック・スペリオール」に連載中の
フットボールネーション』の中で描かれていたインナーマッスル
アウターマッスルについての説明がおかしいと書きました。

インナーマッスルという言葉は、
定義がはっきりしていないわけのわからない言葉であるということ。
(スポーツ科学で通用する言葉じゃありません。)                   ※1
元々肩の運動をつかさどる筋群を役割の違いによって分けた
インナーマッスルアウターマッスルと言う語を、
股関節を除けば他の身体の部位の筋に当てはめることは適切でないこと。
この漫画でインナーマッスルアウターマッスルの例として
具体的な筋が挙げられているが、
役割を考えた場合抜け落ちている筋や不適当な筋が含まれていること。
体軸の操作やバランスなどの
サッカーのパフォーマンスに影響する要素の向上の理由を、
インナーマッスル(この漫画で挙げていた筋)を
鍛えた(使えている)からとしているが、
それはむしろ体幹(特に)深部の筋群の働きで為されること。
(少なくともそれらの筋への言及がなければおかしい。)
以上のようなことを指摘しました。

今回は、まず予告しておいたように、
アウターマッスルの強化を否定していることを、
ここでは逆に批判してみたいと思います。


前回、インナーマッスル
アウターマッスル股関節に限定すべきと書きましたが、
関節運動(肩・股関節)においては両者はどちらも必要で、
相補的に働いているとも説明しました。
そのため、例えばベンチ・プレススクワットといった
最近アウターマッスルのトレーニングの
代表格のように認識されているトレーニングでも、
インナーマッスルアウターマッスルの両方の筋群が働き、
鍛えられていると言う事実を指摘しておきましょう。

正確かつ適切なスピードの動きで、
(目的に応じた)適正な重量×反復回数で、
適正なインタバル(休憩時間)とセット数で、
そして適切な頻度(何日に1回やるのか?/週何回やるのか?)で行った時、
アウターマッスルに偏ったトレーニングだなどと何故思えるのでしょうか?
こうした批判をする人間は、
まともなウエイト・トレーニング(フリーウエイト)を
教わったことも実際にやったことも無いのでしょう。

このことは、逆に考えて、
アウターマッスルが発達している人間は、
アウターマッスルばかり鍛えてインナーマッスルが上手く使えない
という偏見の裏返しでもあるでしょう。
アウターマッスルを適切に鍛えるということは、
同時にインナーマッスルを上手く使って鍛えることでもあります。            ※2

また、アウターマッスルのトレーニングを、
特にその代表的なものとして
ウエイト・トレーニングを行うと、
筋が硬くなって柔軟性が失われるという
迷信
が未だにあるのは驚きです。
筋が硬くなるのは不適切なトレーニングをした場合ならあり得ます。
しかし、トレーナーとして多くのアスリートを観てきて、
筋が硬くなった原因を考察した場合、
サッカーであればトレーニング内容としては走トレーニングと
実戦形式のトレーニング(戦術トレーニング、ミニゲーム、紅白戦、etc)が
一番原因として多いのではないかという個人的な見解を持っています。
だからこそ、そうしたトレーニングの後には、
ジョッギングや水泳、バイク漕ぎなどの有酸素運動をたっぷりとやり、
体操やレジスタント・トレーニングストレッチングを行ない、
場合によって筋や関節のケアまでやることが望ましいのです。
適切なウエイト・トレーニングなどのレジスタンス・トレーニング
筋が硬くなることはありません!                           ※3

今までに書いたようなインナーマッスルアウターマッスルの関係への誤解、
アウターマッスルを鍛えるとされる従来型のトレーニングへの偏った認識は、
体操選手を観れば簡単に気づくことです。

筋骨隆々とした”アウターマッスル”の発達がみられるのに、
体操選手は大変に身体が柔軟です。
それは柔軟性を高めるストレッチングなどを大変重視して
毎日入念に取り組んでいるからです。
アウターマッスル”が発達しても、
柔軟性を上げる/保つことが可能なことがわかるはずです。
体操選手は筋骨隆々としていますが、
体軸のコントロールが大変巧みで、ボディ・バランスも素晴らしくいいです。
それらの能力が”インナーマッスル”のお陰なのだとしたら、
筋骨隆々とした”アウターマッスル”を作り上げるトレーニングと
インナーマッスル”を鍛え上げるトレーニングとが、
少なくとも両立すると言うことになります。

体操選手が普通ウエイト・トレーニングをするのか
しないのかは知りませんが、
体操選手の主要なトレーニングの中には
アウターマッスル”と”インナーマッスル”の両方が
同時に鍛えられるものがあることは確かでしょう。
体操競技には、そのような要素があります。
フリーウエイトでのウエイト・トレーニング
ある種のレジスタンス・トレーニングにも、
同じ要素があります。
アウターマッスル”のトレーニング、”インナーマッスル”のトレーニングと、
相反するもののように考えるのは間違いです。


※1 インナーマッスルは定義がはっきりしていない

このサイトでの説明が割合に妥当だと思う。
(『インナーマッスル Training』)
ただし、インナーマッスル
「主に姿勢を細かく調節したり、
関節の位置を正常に保ったりするという働きをしています」
と言う説明が正しいかというと疑問。
それならば、抗重力筋はすべてインナーマッスルか?
ローテーターカフは姿勢の調節をしている言えるのか?
そもそも関節の位置を正常に保つとは
どのような意味で使われているのかが不明。

私はインナーマッスルという語を
全身一般的な用語に使うことには反対で、
肩など限定的に使うことだけを容認すると言う考え方である。
しかし、このサイトの制作者は、
「定義がバラバラ」で「明確に区別する基準」は無い
と言う現状を説明しながらも(同サイト『インナーマッスルとは何か?』)、
あえて「当サイト独自に設定した定義に基づく」と
断わりを入れつつ定義しようと言う
困難(無理?)なことにトライしている姿勢は好感が持てる。


※2 インナーマッスルアウターマッスルと同時に鍛えられる

野球の投手の為のインナーマッスルトレーニングのような
特殊化したトレーニングについては、
投球と言う特殊な動作と野球肩のような障害の多さから
一般論とは別に語るべきである。
煩雑になるので、ここでは
投手用のインナーマッスルトレーニングについては取り上げない。


※3 適切なウエイト・トレーニングやレジスタンス・トレーニングで
  筋が硬くなることは無い

神経–筋の生理学的な知見の中には、
「最大収縮後に、最大弛緩が得られる」という法則がある。
また、シェリントンの継時誘導の原理
筋収縮時の相反抑制などにより、
筋は抵抗運動中に収縮の反応性の高まりとともに、
弛緩の反応性の向上をも得ていく。
継時誘導とは、
「拮抗筋群の最大興奮の直後に動筋がつよく促通される」というもので
簡単に言うとある筋を強く収縮させた直後には
その筋の拮抗筋が強い収縮を起こしやすい状態になるということ。
その他の点は、エントリー『自原抑制と相反抑制について』を参照のこと。

以上のような生理学的理由から、
強い筋収縮を伴うレジスタンス・トレーニング中または直後に
筋は最大の柔軟性を見せさえする。
要は、筋が疲労により正常な収縮ができなくなるまでやらなければ良いと
考えることができる。

一方、筋の微細損傷が筋肥大の要因とする考えと
筋肉痛=筋の微細損傷という考えから、
筋肉痛を起こすくらいのトレーニングをしないと
筋肥大効果がないという(誤った)考え方が広まったことがある。
しかし、痛みを伴うような筋の損傷を起こすことはリスクが大きく、
筋の生理学の権威、東大大学院の石井直方教授によれば、
筋損傷の度重なる修復によって
収縮をしない(力を発生させない)組織、
言わば壁や柱に該当する組織が厚くなって
見せかけの筋肥大が起こることがあるという。
それでは筋の機能(筋力・収縮スピード・柔軟性、etc)は低下しかねない。
そのような誤ったトレーニングの結果を
アウターマッスルのトレーニングや筋肥大の所為にして
ウエイトトレーニングを無意味とするのは誤り
である。


(2011年2月23日、文の一部の表現を書き直しました。)


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(この記事は、2011年1月6日に一部修正しました。)

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漫画『フットボールネーション』の中のインナーマッスルって?
小学館の漫画誌「ビッグコミック・スペリオール」に連載中の
フットボールネーション』を、3話ぐらい立ち読みしました。
昨年の12月に連載が始まったばかりのようですが、
そこそこ好評のようです。
作者の大武ユキさんは、
他にもサッカーをテーマにした漫画を描いたことがあって、
一部のファンには評判だったようですし、
サッカー漫画としては、面白そうだと感じました。

しかし、先々週に発売された号では、
インナーマッスルを鍛える(使う)のがよく、
アウターマッスルを鍛える(使う?)ことは悪いといった内容が描かれていました。
どうも、科学的なことを言っている、
あるいは最新のすすんだトレーニング理論を言っているように
勘違いする人が出るんじゃないかと心配になりました。
この号で主人公のチームの監督が言っていた理論?(主張)は
おかしなところがたくさんあります


大体において、『インナーマッスルアウターマッスル)』って言葉は、
学術用語ではないと思います。
意味や内容が定義がされていない用語です。
かと言って一般化されて多くの人に共通認識されている言葉でもありません

私が初めて『インナーマッスルアウターマッスル)』という言葉を知ったのは、
プロ野球近鉄バッファローズ(当時)のコンディショニングコーチ立花竜司氏が
1992年頃にテレビ番組(プロ野球ニュースだったかな?)で使ったのを聞いたからで、
世間(スポーツ界)的にもにこの頃から広まったのだと思います。
立花コーチは、肩のインナーマッスルとして説明していたのですが、
これは主として
ローテーターカフ(肩)回旋筋腱板』のことを指し、      ※1
肩のアウターマッスルとは三角筋大胸筋広背筋などの
腕(上肢)の運動を司る大きな筋であったと思います。

ローテーターカフは、
肩甲上腕関節において重要な働きをしていて、
上腕骨の運動を補助して円滑にする働きをしています
大きく力のある三角筋大胸筋広背筋などは、
腕(上肢)を動かして大きなパワーを発揮させることができますが、
それもローテーターカフが上肢の運動の中心を関節内に固定してくれて
はじめて可能になるのです。
一方、ローテーターカフのみでは、
腕(上肢)を動かせる範囲が極めて小さくなり、
しかも大きな力を出すことや速い動きをさせることができません。
このように、肩においては、ローテーターカフインナーマッスル)と
三角筋大胸筋広背筋などの腕(上肢)の運動を司る大きな筋(アウターマッスル)は、
同じ腕(上肢)の運動で共同し補完し合って働く間柄で、
お互いが欠くべからざるパートナー同士
なのです。
通常のスポーツ動作における肩の運動(肩を軸として腕が動く運動)では
両方の筋群が必ず一緒に働くのですから、
どちらの方が大切だとか言うべきものではありません


同じ肩の運動に関わる筋でもそれぞれ役割や適したトレーニングが違うので、
説明したり理解してもらったりしやすくするためにわかり易い用語法として、
立花氏がより深部にある筋群であるローテーターカフインナーマッスル
より体表に近い浅部にある三角筋大胸筋広背筋などをアウターマッスル
と呼んで区別したのだと、私は理解しています。                    ※2
そしてその考え方を身体の他の部位に援用すれば、
股関節(下肢)の運動に関わる筋群についても
インナーマッスルアウターマッスルに区分することが可能になります。
本来身体を移動させる為の器官である上肢と下肢の運動の軸となる関節なので、      ※3
肩と股関節は共通点が多いのですが、
体幹部や頸部の筋には肩や股関節のインナーマッスルアウターマッスルのような
筋群の組み合わせがあると言えるのでしょうか? 
どうもありそうではありません。

このように、
インナーマッスルアウターマッスルという言葉そのものが曖昧な言葉で
人によって言っていることが違うと言うことに気をつけなければいけません。

この漫画では、インナーマッスル腸腰筋をあげていることは、
股関節の筋であるし、その働きを考えると
そういう言い方をしてもいいかとは思います。
しかし、それならば肩のローテーターカフ
股関節(臀部)の深層外旋六筋を挙げるべきです。                   ※4
また、横隔膜は全く範疇が違う気がするし、
ハムストリングを入れていることは全く理解できません。

ハムストリングは、下肢の筋(大腿後部)ですが、
これが深部か浅部かで言えば深層から浅層まであるのでどちらとも言えず、
それなら上記の漫画でアウターマッスルに挙げていた大腿四頭筋と同じことで、
両者をインナーアウターに分ける機能上の違いが何なのかが
明らかではないし、
もしも両者に機能上の違いがあったとして
その違いは他の関節や部位において筋をインナーアウターに分けた違いと
同じなのであろうか?
私に言わせれば、
ローテーターカフ三角筋大胸筋広背筋の違いと、
ハムストリング大腿四頭筋の違いは全く別のものです。

漫画中で、
体重が重くもなくがっしりとした体格でもないのに当りに強くなった、
雨の中でもスリップしにくいなどの
体軸がしっかりととれることとか
ボディ・バランスが良くなったことに起因すると思われるシーンを描き、
それらがインナーマッスルを鍛えたからとしていますが、
体幹骨盤を含む胴体)の深部にある筋を上手く利用できるようになったことと
肩や股関節におけるインナーマッスルの働きとを混同しているようです。
何度も言いますが、
深部にあるからと言って(本来肩関節限定で使われた)インナーマッスル
同じグループに分類できると考えることは間違いです。

骨盤を含む)体幹の深部の筋は直接関節運動には関わっていません
しかし、それらの筋を上手く使うと体軸が安定し姿勢がよくなり
股関節や肩関節などの大きな力やパワーを効率よく使えるようになると
考えられているのです。                               ※5
肩や股関節などのインナーマッスルは、
直接関節運動に関わる(必要な)筋です

しかし、それらの筋によって直接姿勢がよくなり体軸が安定するとは
少なくとも今のところは言えません


次回に、いわゆるアウターマッスルの強化の否定について
批判してみたいと思います。


※1 ローテーターカフ回旋筋腱板

ローテーターカフを筋群そのものの名前として扱うべきではなく、
ローテーターカフとか、回旋筋腱板腱板などと書くべきかもしれないが、
本文では煩雑さを避けるために単にローテーターカフとした。
ローテーターカフという用語については、
エントリー『中殿筋・梨状筋 2(腰痛に対するマッサージ)』の注(※3)
で説明している。


※2 立花氏がインナーマッスルアウターマッスルと呼んで区別した

要するに立花氏が考案した呼び方ではないかということ。
インナーマッスルアウターマッスルと言う用語は英語ではないだろう。
英語版のwikipediaで検索しても該当するものはない。
googleでの検索でも、英語のサイトに該当する記述は見当たらない。
もちろん学術用語でもなんでもないだろう。


※3 本来身体を移動させる為の器官である上肢と下肢

「下肢はわかるが、上肢は違うだろう。」と思うかもしれないが、
人間の身体は遠い祖先である四つ足動物を元にしてできている。
つまり、本来上肢は前脚だったので、表記のように書いた。
まだ二本脚で立てない赤ちゃんはまずハイハイから始めるが、
見事な四つ足歩行を見せてくれるのはその名残であろう。


※4 深層外旋六筋

※1でリンクを貼っておいたエントリー
『中殿筋・梨状筋 2(腰痛に対するマッサージ)』に説明がある。


※5 体幹骨盤の深部の筋は~と考えられている

私が推奨しているピラティスPilates)では、
深部腹筋(腹横筋)や骨盤底筋(群)をコントロールすることを重視する。
特に腹直筋を使わないようにしながら腹筋を働かせるが、
背中の方にお腹を引っ込めさせながら腹筋を使うことで
腹横筋の活動が高くなる。
骨盤底とは、文字通り骨盤の底にある筋の総称であるが、
主なものには骨盤隔膜肛門挙筋尾骨筋)や会陰横筋・尿道括約筋などで、
骨盤内臓器を支えている。


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縮んでしまった筋を元に戻すにはどうしたらいいのか?
別ブログの記事「筋は縮むことしかできない 筋の生理」と「筋の生理2」(消失)の説明で、
きん:筋肉の正式な呼び方)は縮むことしか出来ないこと、
筋は収縮を止めた後でも緊張・長さが元に戻らなくなることがある
ということをお話ししました。

本格的なスポーツを経験した方や、
激しい力仕事をやったことのある方なら、
激しいトレーニングや力仕事の後(翌日またはひどいときは当日の内に)、
筋が硬くなり、
ひどい時には筋の中にこコリコリした硬い固まりのようなものができて、
関節を曲げる時にその硬さやコリコリが邪魔をして、
曲げにくくなった経験をしたことがある方も多いと思います。

大腿(だいたい:ふともも)部の筋を例にとると、膝を曲げる筋と伸ばす筋があります。
膝を伸ばす筋である大腿四頭筋だいたいしとうきん)はふとももの前にあり、
膝を曲げる時に引き伸ばされる筋です。
 逆に膝を曲げる筋は太腿の裏にあります。
大腿二頭筋 だいたいにとうきん半膜様筋 はんまくようきん半腱様 はんけんようきん
 以上の三つの筋をまとめて言う時は、ハムストリングと呼んでいる。)

立った姿勢から膝を曲げてしゃがみ込む時、
膝を伸ばす役割をする大腿の前の筋は引き伸ばされますが、
普通はお尻が踵(かかと)に付くまでしゃがめるくらいは
(つまり、膝を最大に曲げることができるくらいは)
大腿の前の筋は引き伸ばすことができます。
しかし、大腿の前の筋が硬くて十分に伸びないので
膝が曲がりにくくしゃがめなくなることがあります


一方、膝を曲げるハムストリングの筋は、
立った姿勢からしゃがみ込む時、
収縮する必要がないので普通は柔らかいままで、
しゃがむとふくらはぎの筋とぶつかり圧し合い、
お互いの圧力で平たくつぶれます。
ところが、ハムストリングの筋がひどく硬くなると
充分に平たくつぶれず、
まるでふくらはぎの筋との間に棒が挟まったかのような感じがして
膝を深く曲げられずしゃがむことができないこともあります


このような体験をしたことのある方も少なくないと思います。

例に挙げたように、激しい筋活動(スポーツ、労働など)の後などには
収縮を止めた安静時にも筋の緊張が持続して、
筋全体の長さを縮め平常よりも伸びにくくすることが多いのです。
このような筋の状態は、
「短縮した」と言っても良く、
「硬くなった」と言っても良く
「緊張が強くなった」と言っても良く、
単に言い方を変えただけと言っていいでしょう。                  ※1

では、「短縮した」「硬い」筋は、どうしたら
「長さを取り戻した」「柔らかい」筋に戻るのでしょうか?


ここでは、私のとっている方法をご紹介します。

(1)マッサージをする
  筋をターゲットとしたマッサージです。特に深部の筋を狙います。

(2)ストレッチングをする
  自分自身で行わせるセルフストレッチング
  人に伸ばしてもらうパートナーストレッチングがあります。

(3)鍼灸などの東洋療法を用いる
  漢方薬は、用いません。専門家に任せます。

(4)筋収縮に伴う反応を用いる
  強度の筋収縮後には、収縮した筋はリラックスしやすくなります
  つまりストレッチングしやすくなります。
  また、強く収縮した筋の拮抗筋は、リラックスしやすくなります。
  こうした反応を、主にストレッチングと併用します。              ※2

(5)アイシングと温熱を利用する
  アイシングは、特に筋が硬いだけでなく、
  伸ばしたり収縮させたりする時に痛みがある場合に利用する。

今後、(1)~(5)について詳しく書いていきたいと思います。


※1 「緊張が強くなった」と言っても良く、単に言い方を変えてだけと言っていい
筋の「緊張」という語の用法ですが、
筋は縮むことしかできない 筋の生理」の注(※2)を
読んでいただくとわかると思いますが、
私の解釈・用法は医学的な定義をはみ出している恐れがあります。
特に筋緊張筋トーヌス)が医学・医療上問題となるのは
神経系の疾患や損傷のレベルの鑑別や
リハビリなどの上の問題であるからで
ここでは、
あくまで神経系に異常や病気がない人の身体について語っているので、
筋の緊張とは一般的な意味合いで使用している

と解釈してもらってもかまいません。

※2 筋収縮に伴う反応を、ストレッチングと併用する
筋収縮後の抑制(自原抑制)を利用するストレッチングは、
以前はPNFストレッチとしてスポーツ界に流行しました。
時にはホールド・リラックスHold RelaxPNFのテクニックの一つ)を応用したストレッチ
と説明されることもあるようです。
しかしながら、
PNFの専門家からは安易にPNFという名称を使うことへの疑義(抗議?)が出され、
PNFストレッチという呼称は廃れました
(命名者が使っていない)し、
ホールド・リラックスは、
目的とする運動のパターン強化のために拮抗筋に最大収縮をさせて
それに伴う相反抑制を利用する手技ですが、
こうしたホールド・リラックスの技法について誤った説明をしているものをよく見かけます
(一部スポーツ関係者の間などでは、まだPNFストレッチと言う語が使われているようで、
認識が甘く困った事だと思います。)
日本PNF学会 トップページ→日本PNF研究会の発足→発足の主旨)        ※3

自原抑制の利用と相反抑制の利用との違いなど、
近日中に新たなエントリーで説明する予定。


※3 日本PNF学会

実は、日本にはもう一つPNFの団体があって、
それは日本PNF協会という。
もともと日本PNF研究会という一つの組織だったらしい。
協会の方のトップ(理事長)は市川繁之氏(ヒューマンコンディショニングPNFセンター)、
学界のトップは(理事長)は 今井基次氏(八千代リハビリテーション学院学院長)。
学会には、副理事長に乾公美氏(札幌医科大学保健医学部教授)や
柳澤健氏(首都大学東京理学療法科学科長)という
PNF関連の書籍の訳者・著者が顔を揃えている。
しかし、一方、『スポーツPNFマニュアル』(著者)とビデオ(実技指導)
(本・ビデオ共に南江堂、絶版?、両方とも私は所有している)を出し、
ある意味PNFという用語の混乱に一部加担しちゃったと思われる過去のある、
ある方も役員に名を連ねている。

1990年代前半、私はその方の講習会も
現在協会の理事長である市川繁之氏の講習会の両方に参加した。
講習会後の市川氏に持っていた『スポーツPNFマニュアル』を見せたのも私である。
市川氏は初めて見るとおっしゃっていた。

さて、学会副理事長の柳澤氏と協会理事長の市川氏は、
臨床PNF』(P.E.サリバン他・著、メディカル葵出版、1986年)では、
共に訳者として名を連ねている。

何があったのかはわからないが、学会の名だけ紹介する形になってしまったので、
改めて協会も紹介しておこうと判断した。
こんなブログ記事もある。

(※3 は2010年2月21日に追加しました。)


(この記事は、このブログの2008年10月1日にアップしたエントリーを、別ブログ
治療室ボディ・インスピレーション 癒す体・鍛える体』に2009年10月19日転載したものを、
再び当ブログに復活させたものです。)

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フィジカル系職人

Author:フィジカル系職人
職業:マッサージ・鍼治療院経営
   アスレティックトレーナー
生息地:群馬
本名:佐藤 暢彦

身体のこと、治療のこと、スポーツのこと、などなど。日頃考えていること、興味を持っていることについて、書いていきたいと思います。

このブログについて:更新作業は治療室内のMacで行なっていますので、早朝や深夜、休業日の木曜に更新されることは基本的にありません。



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