感覚派アスレティックトレーナー  身体と会話する日々
マッサージ師、鍼師であり、アスレティックトレーナーでもあるフィジカル系職人が、身体について、スポーツについて、その他よしなし事について綴る、教養系?ブログ
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腸腰筋について 2
最初に、前回に続いて、腸腰筋が実際の動きの中でどのように働いているのか
運動学やバイオメカニクスの研究でわかっていることを紹介します。

腸腰筋は、歩行やランニングで非常に重要な役割をしています

片側の脚の動きを追って観ると、
歩行やランニングでは、片足を体の少し前の方で地面に着き、
その足の上に体が前進してきて乗っかり、やがて体は足を追い越して前進し続け、
接地している足は徐々に体の後に位置を変えながら地面を強く押し(蹴り)
終には地面を離れて空中を前に運ばれ、
また体の前の地面に着くと言う運動を繰り返します。

この脚が空中で体の前に運ばれる運動は、典型的な腸腰筋の働きなのですが、
それだけではなく、実は足が体の後ろで地面を離れる前から
腸腰筋は活動をしています

脚が地面を離れる前に地面を押しているときは、
身体に対して脚が後に移動しているので、
腸腰筋の働きとは逆の動きになります。
その間は腸腰筋は引き伸ばされる動きになっていますが、
腸腰筋が引き伸ばされながらも収縮を始めているのです。           ※1

この実際の動き(脚を前に運ぶ)に先行する筋活動により、
腸腰筋は足が地面を離れた瞬間から
素早く脚を前に運ぶ筋力が発揮できるようになっています。
(弓を引き絞ってから放つイメージ)
足が地面を離れてから初めて腸腰筋が働き始めるのでは
スムーズに足を前に運ぶことができないでしょう。


腸腰筋の中で、大腰筋腸骨筋の関係はどうなっているのでしょうか?
まったく別の場所から始まって、別々の名前も与えられているが、
共通の腱に合流し、共同で働くとされています。

大腰筋が収縮する時、
下部脊柱(腰椎)を前に引くので腰椎の前弯が強まります。
その時、腸骨筋が同時に収縮することで、
大腰筋が着いていない(従って大腰筋には直接動かせない)骨盤(腸骨)が
前傾(前に傾く)します。
大腰筋腸骨筋が同期して収縮することで、
骨盤とそのすぐ上に位置する腰椎が同期して動くことになり、
それによってこれらの部位の間の安定が保たれるのかもしれません。
 上下2段に積んだ箱の上だけを引いたり、下だけを引いたりすると
積んだ箱が崩れてしまうが、
上下の箱を同時に同じだけ引けば、
崩れたり箱同士がずれたりすることがないというイメージです。

前回のエントリーで、腸腰筋は他の筋と協調して
「股関節(すなわち骨盤と大腿の間)と下部脊柱を固定・安定させて支持力を高め、
それによって反対側の脚を大きく動かすことを可能にしているのだと
私は考えています」と書きました。
そのためには、下部脊柱と大腿骨を結ぶ大腰筋
骨盤(腸骨)と大腿骨を結ぶ腸骨筋の協調が重要
です。
それ故大腰筋のみを取り出して語ることは
身体の仕組みを正しく理解することを妨げるのではないか
と考えます。

大腰筋多関節筋(2つ以上の関節をまたぐ=複数の関節の運動を調節する)であり、
腸骨筋単関節筋(1つの関節だけをまたぐ=1つの関節運動しか起せない)です。
ある関節を曲げたり伸ばしたりする筋が、
単関節筋多(ニ)関節筋とがセットになっていることは、
人体では普通に見られる
ことです。
そして、そうした中でも
単関節筋多関節筋とが同一に腱を持つ一つの筋を構成している筋
いくつか存在しています。
例えば、膝を曲げる筋の一つである大腿二頭筋は、
短頭が単関節筋で、長頭が二関節筋で、合せて一つの筋を構成しています。
膝を伸ばす大腿四頭筋も、
内側広筋・外側広筋・中間広筋の3筋は単関節筋で、大腿直筋が二関節筋です。
上腕二頭筋(※2)も上腕三頭筋
単関節筋とニ関節筋の組み合わさった筋です。
腸腰筋も、それらの筋と同じような機構上の利点をもっているのでしょう。


筋の働き・役割については、理学療法の研究が大変に参考になります。
腸腰筋について、こんなブログを見つけました。

ブログ『運動連鎖アプローチ研究会~活動報告~』より「腸腰筋と歩行」

ブログ『私のリハビリ概念の記録』より「大腰筋って大切?」

今の時点で納得できることも、
理解できないこと賛同できないこともありますが、
勉強になりそうなので参考にしていきたいと思ってます。



※1 筋が引き伸ばされながら収縮する

筋の長さは引き伸ばされながら、筋は収縮している=力を発揮している、
こういう筋の収縮の仕方を伸張性収縮Eccentric Contraction)と言います。
英語日本語を混ぜて、エキセントリックな収縮などと言うこともあります。
実際の人の動きの中では、筋はこうした収縮の仕方を良くしている。
例えば、膝を曲げてしゃがむときは、
膝を伸ばす大腿四頭筋が伸張性収縮をしているし、
坂道を下るときも大腿四頭筋が伸張性収縮をしている。
要は下へ動くときは下半身には伸張性収縮をしている筋があるし、
手に持った荷物を降ろす時は、上半身の筋に伸張性収縮をするものが出てくる。
それは、重力があるからなのだが、ここではこれ以上は立ち入らない。


※2 上腕ニ頭筋(2009年2月27日)

上腕二頭筋は、二関節筋のみで構成されている筋であり、
単関節筋と多(ニ)関節筋で構成されている筋のれ例として挙げた本文は
誤りであるので、     で消した。
他に例として挙げるなら下腿三頭筋などがある。


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プロフィール

フィジカル系職人

Author:フィジカル系職人
職業:マッサージ・鍼治療院経営
   アスレティックトレーナー
生息地:群馬
本名:佐藤 暢彦

身体のこと、治療のこと、スポーツのこと、などなど。日頃考えていること、興味を持っていることについて、書いていきたいと思います。

このブログについて:更新作業は治療室内のMacで行なっていますので、早朝や深夜、休業日の木曜に更新されることは基本的にありません。



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