感覚派アスレティックトレーナー  身体と会話する日々
マッサージ師、鍼師であり、アスレティックトレーナーでもあるフィジカル系職人が、身体について、スポーツについて、その他よしなし事について綴る、教養系?ブログ
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世界陸上第3日(8/17)の感想 その他
女子400mハードルの久保倉里美選手と青木沙弥佳選手、
男子10000m決勝の岩井勇輝選手が出場しましたが、
結果は本人達自身納得のいくものではなかったでしょう。
特に青木選手はハードルに脚を引っかけて転倒してしまいましたが、
大きなケガがなかった様子だったのが何よりです。

転倒しなかった久保倉選手も岩井選手も、
自己記録に比べても差のある記録で終わっています。
そういう意味では、女子棒高跳びのイシンバエワ選手も
4m75、4m80という自己ベストからみてかなり低い記録を失敗して
記録無しに終わっています。
男子ハンマー投げも80m越えが一人と
記録的には低調に終わりました。
室伏選手と仲が良いというポーランドのジョルコフスキ選手は、
ベスト記録よりも約4m低い記録で終わっています。

ところで、4mという距離は、ジョルコフスキ選手にしてみたら、
ベスト記録の5%弱です。
久保倉選手の予選のタイムはべストよりも1.5秒遅く、
この1.5秒というのはベスト記録の約2.7%です。
イシンバエワ選手は予選記録無しでしたが、
最初に失敗した4m75はベスト記録(世界記録)より30cm低く、
30cmはベスト記録の6%ほどに過ぎません。
つまり、ベストよりも
3%、5%。6%の範囲でも「不調」とか「低調」となる
わけで、
我々の生活で3%~6%なんて変動は普通にあることでしょうし、
我々は生活上5%もパフォーマンス低下しているから頑張れなどとは       ※1
言われることはありません。

ボルトが100mで世界新記録を出すと、
「どこまで記録を伸ばすのか?」などと、
もうこの記録(9秒58)もたやすく破れるかのごとき幻想が持たれるが、
いつでもベストな状態でいられる者、
いつまでもパフォーマンスを向上させられ続ける者などいない
のです。
ボルトはまだ若いですが、それでもこの先の記録更新はたやすくないし、
今までのように短期間で大幅になどということは有り得ません。
そう、限界があるとは見えなかったイシンバエワでも
何年間もトップでい続けたことが身体に非常な負担をかけていたこと、
そしてその負担に身体が耐えられない時
パフォーマンスがここまで低下することもあるのだということを
今回我々の眼前で見せたように、
ボルトにも限界があり、トップであり続けようとすれば、
いつか「不調」や「ケガ」などと戦わなければならなくなる時が来るでしょう


ですから、逆に言えば、世界一を争うこの大会で、
悪くてもベストを5~6%下回るだけで、
できるだけベストに近い体調とパフォーマンスが実現できる(しようとする)
世界のトップ選手達に拍手を送りたい
と思います。
さらに言えば、2年前の大阪などの大会において、あるいは日常の関係の中で
そうした選手の努力にトレーナーとして協力できることを誇りに思っています。


男子10000m決勝で、やはり強かったケネニサ・ベケレ選手と、
最後の1周までハイペースで逃げ続けたエリトリアのゼルゼナイ・タデッセ選手は
素晴らしかったと思います。
(3位のケニアのマサイ選手も26分台ですから、これも素晴らしい。)
一方、夏でもちょっと気候が良ければ
26分台で走ることが当たり前になってきた世界大会の10000mで、
日本の各チーム・各選手にはせめてアメリカチーム(6位と8位)とは戦えるよう
強化のために抜本的な改革・対策を始めて欲しいと思います。

女子100m決勝では、
そのフォームからアメリカのジーター選手に注目していたのですが、
準決勝で好調ぶりを示したシェリー-アン・フレーザー選手が優勝し、
カーロン・ステュワート選手が追い込んで2位になりました。
昨日書いた『スプリント技術について』ですが、
シェリー-アン・フレーザー選手はいわゆる「脚が流れ」気味なのですが優勝し、
一番フォームが良いと私の考えるジーター選手は3位で、勝てませんでした。
そこが、技術論の難しいところですが、
動きの効率がいいはずの選手よりも
効率に問題がある選手の方が速く走れるということは、
まだまだ、女子の短距離は男子に比べると記録の伸びる余地がある
と言うことで、
フローレンス・ジョイナーの世界記録も破れるということでもあると解釈できます。

シェリー-アン・フレーザー選手は
骨盤~上体が前に倒れ、脚が後ろに流れるのですが、
脚を前に引き出すスピードが速いことが優れていて、
スチュワート選手よりもやや早めに疲労して減速が始まるのですが、
100mならぎりぎりゴールまでもったと言うことでしょう。
より長身で効率の良いフォームで走る選手が記録を伸ばしてくると
フレーザー選手は同じフォームで勝つのは難しいと思います。

また、スプリントだけでなく、
長距離種目においても技術的には共通するところが多くなっている
と思います。
それだけ、長距離種目でのスピードが上がってきたということだと思います。
前皇帝ハイレ・ゲブレセラシエ選手であれば、
まさにスプリントの技術として書いたことがすべて当てはまります。
ところが、現皇帝ケネニサ・ベケレ選手には、やはり当てはまるとは言い難い。
それなのにあそこまで速いと、もはや怪物と言ういうしかありません。
でも、長距離種目を目指す中高生達に、
ゲブレセラシエ選手のフォームの大切なポイントを真似させることはできると思いますが、
ベケレ選手のフォームは真似させない方が良いと思います。


※1 生活上5%もパフォーマンス低下

営業で販売金額が5%以上上下することは当然あるであろうが、
ここで言うパフォーマンスとは経済・政治などの社会的な外部要因に
影響を受ける活動ではなく、
あくまで生物として精神・肉体活動上のパフォーマンスということ。


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テーマ:陸上競技 - ジャンル:スポーツ



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プロフィール

フィジカル系職人

Author:フィジカル系職人
職業:マッサージ・鍼治療院経営
   アスレティックトレーナー
生息地:群馬
本名:佐藤 暢彦

身体のこと、治療のこと、スポーツのこと、などなど。日頃考えていること、興味を持っていることについて、書いていきたいと思います。

このブログについて:更新作業は治療室内のMacで行なっていますので、早朝や深夜、休業日の木曜に更新されることは基本的にありません。



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