感覚派アスレティックトレーナー  身体と会話する日々
マッサージ師、鍼師であり、アスレティックトレーナーでもあるフィジカル系職人が、身体について、スポーツについて、その他よしなし事について綴る、教養系?ブログ
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Jリーグ松田直樹選手の思い出
前回、トレーナーの目指すところは、
「選手に自分の健康管理をできるようになってもらうこと」と
書きました。

選手が自らの健康・コンディション管理をできなかった例を
ある選手の若い時に見てるので、紹介したいと思います。


1996年の2月、
私はJリーグチームである横浜マリノス(当時)の宮崎合宿に帯同しました。
私はマリノスのスタッフではありませんでしたが、
ちょうどマリノススタッフのトレーナーが入れ替わった時期で、
新しくトップチームのチーフトレーナーとして予定している方が
まだ合流できないためにトレーナーが足りず、
合宿の間だけ臨時に私が呼ばれたのです。                      ※1

松田直樹選手はこの時マリノス入団の2年目に入ったところでした。
宮崎合宿で2ヶ月ぶりに会った松田直樹選手は、                   ※2
どちらの足か覚えていません(あるいは両足だったかも知れません)が、
脛にシンスプリントを起こしていて別メニューでの調整を余儀なくされていました。。

シンスプリントと言うのは、
脛(すね)の骨(脛骨 けいこつ)の内側の骨膜が炎症を起こして痛む障害で、
時には腫れを伴う事もあります。
ダッシュなどのランニングやジャンプなどを繰り返す運動で起こり、
特に球技や陸上競技などでダッシュやジャンプが急激に増える春先や、
怪我などによる休み明けや新入生・新人など
トレーニングに長いブランクがあった者などが発症しやすく、
新人病」などと言われる事もあります。                      ※3
何故、プロ2年目の松田直樹選手が
そんな「新人病」を患う羽目になったのでしょうか?

私が考えるに、
松田選手は中学3年生でジュニアユース日本代表候補に選ばれてから、
常にすべての年代別カテゴリーの代表に選ばれ続けました。
前橋育英高校時代は、自チームの練習と合宿・遠征、
前記の年代別日本代表合宿と試合、
更に群馬県高校選抜の合宿・遠征があり、
1年中何らかのチームでトレーニングとゲームをしていて、
長いオフなど経験していません。
前橋育英高校からマリノスに入った頃も同様で、
ユース日本代表合宿などに参加していたため
長期のオフを持つことがありませんでした。
人よりも短いオフが明ければ合宿に呼ばれ、
チームについていけば必ずコーチのもとで
コンディショニングできる環境で過ごしてきました。
だから、はじめて長いオフを過ごすことになった時、
自分一人でオフ明けまでにコンディションを上げていく方法が
わからなかったのではないか!
と想像しました。

宮崎合宿トレーナールームで最初に松田選手に合った夜、
私は自分の想像したことを彼に話してみました。
やはり、想像はほとんど当たっていました。
こうした経験からしても、
選手(アスリート)は自分自身の健康やコンッディションを
管理する力をつけるべきだとの思いは、
私のトレーナーとしての信念となっています。

(なお、松田直樹選手が、オフのコンディショニングを怠ったために
 マリノス2年目の合宿でシンスプリントを患っていた事実は、
 『闘争人 松田直樹物語(二宮寿朗著、三栄書房)』にも書いてあるので、
 このブログで書くことが松田選手の不利益にはならないだろうと判断して書いています。)



※1 臨時のトレーナーに私が呼ばれた

ある方が私をマリノス側に推薦してくれたらしい。
その方とは、私が鍼、灸、マッサージの免許を取る為に通った専門学校の先生で、
日産時代からマリノスと深い関わりのある方であった。

実は、前年(95年)のチャンピオンシップの際、
マリノスからの依頼で、チームが前泊したホテルで
幾人かの選手にコンディショニング・マッサージを行なった。
そのため、ゴールキーパーの川口能活選手などは顔を覚えてくれていた。


※2 松田直樹選手

彼と初めて会ったのは、マリノス入団よりも前の前橋育英高校時代である。
高校2年時と3年時の全国高校選手権大会の帯同を依頼され、
大会直前の調整試合から選手権大会中(敗退するまで)帯同した。
松田選手は2年時の選手権大会2回戦で足首をねん挫し、そのケアも行っている。
また、高3の夏から秋にかけては、群馬県高校選抜でも一緒になり、
夏のミニ国体(国体関東予選)や遠征、
秋の愛知国体では3位決定戦まで帯同した。
国体の準決勝の試合直前には、
寝違えたという松田選手の頸(くび)のケアをした。


※3 新人病

スポーツ医学が広まる前の時代は、
こうした現象が顕著だった。
シンスプリントの原因はわかっているので、
トレーニングの段階的増加とトレーニング後の足のケアなどで
きちんと必ず予防できる。
新人病」が死語になるように、
スポーツ現場が変わることを望む。



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この記事に対するコメント
教えてください
はじめまして

先日
ブログを見させて
もらったんですが
質問したいことが
あります

『フットボールネーション』
のなかで
足が細く、
ハムストリングを使ってる選手の方がフィジカルが
強いって本当ですか?
【2010/06/11 00:31】 URL | あっきー #- [ 編集]

Re: 教えてください
『フットボールネーション』の中で、どのように説明されていたのかは、
私は覚えていませんので、
ご質問の表現にそってお答えします。

> 『フットボールネーション』
> のなかで
> 足が細く、
> ハムストリングを使ってる選手の方がフィジカルが
> 強いって本当ですか?

「足が細く」は、恐らく「脚が細く」のことだと思います。

よく使う筋やよくトレーニングしている筋が太くなりのですが、
それは筋の線維の中でも白筋(速筋)という筋線維の割合が高い者の方が
筋が太くなりやすく、
赤筋(遅筋)の割合が高い者は筋肉が太くなりにくいと言う特徴があります。
白筋(速筋)が多い(割合が高い)と早く強い力を出しやすく、
スピードや加速能力が高くなったり、当たりに強くなりやすくなると
考えられます。
つまり、筋肉が太い方がサッカーにおいても有利だと言えそうです。
少なくとも、『フットボールネーション』で大事だというハムストリングも、
ある程度以上は発達している(=太い)方が有利だと言えることになります。

ヨーロッパやアフリカ黒人の選手たちは、
大腿(ふともも)に比べて、膝から下(下腿)が長いという骨格上の特徴があります。
その上、ふくらはぎの筋腹(筋肉のふくらんでいる部分)が短く、
アキレス腱が長いので、下腿の下部は細く見えます。
長いから細く見えるのか、実際に日本人と比べて細いのか、
わからないと思います。
少なくとも、クリスティアード・ロナウドやカカなどの大腿やふくらはぎは
細いとは言えません(脚が長いから細く見える)。


『フットボールネーション』では、
体のボランス保持能力や体の接触時の姿勢など
「姿勢保持に関わる筋肉がどれだけ使えるか・鍛えてあるか」が
大切であると説いているわけです。
それはその通り大切なポイントなのですが、
本来足の太い・細いとは無関係な話である上に、
ハムストリングのことまで間違った決めつけをしているので
話がおかしくなるのでしょう。

ハムストリングは、早い短距離走者ほど発達していて、
短距離をより速く走るにはハムストリングを使う必要があります。
しかし、それ以外のサッカーのプレーにどれだけ必要かはわかりません。
恐らくラモスのようなドリブル(長身なのに短い歩幅で素早く細かく脚を動かす)には
ハムストリングを使う比重が高い予想しています。
そのハムストリングと「フィジカルの強さ」の関係は、
私にはわかりません。

最も重要なことは、「フィジカルの強さ」とは、
何を示す表現なのかがわからないことです。
サッカー関係者が、サッカーファンが「フィジカルの強さ」と言う時、
同じ事柄を指しているのでしょうか?
彼らの言う「フィジカル」とは、何なのでしょう?
「強い」「弱い」で形容するのですから、
体力のことでしょうか?
体力のうちの筋力でしょうか?瞬発力でしょうか?全身持久力でしょうか?
誰も説明していないのに、
何故、皆さん「フィジカル」を使って会話ができるのでしょう?
私には理解でできませんし、まず「フィジカル」とは何のことで、
それが「強い」とか「弱い」とかいうのは、どんな状態のことなのか、
それを定義してはじめて論議できるのです。
『フットボールネーション』でも、確か何の定義もしていませんでしたね。

わからないと書きながら、私自身は多くの人の使い方から、
「フィジカルが強い」と言う意味は、
体の接触において当たり負けない・当り勝つことを指している場合が多いと感じるので、
その意味であると想定してこの回答を考えました。
しかし、「体の接触で当たり負けない・当り勝つ」には、
体格・体重、筋力、瞬発力や
体軸の安定性(バランス能力)と
部位としての体幹筋力の強さや体幹の操作能力、
当たるタイミングの予想の正確さと準備動作、
自分の身体のどこを、相手の身体のどこにどのように当てるのか、
といった多くの技術的要素を含んでいます。

「フィジカルが強い」という表現で済ませているうちは、
より具体的な要素に掘り下げて分析・考察できる者には
勝てないでしょう。
ですから、ご質問になった『フットボールネーション』内の説明については、
忘れる、または、間違っていると考える、
あるいは、何が変なのか自分で詳しく勉強するきっかけとするのが
良いと思います。

長い返事となりましたが、
単純に「間違っている」とか「正しい」とかの答えを鵜呑みにするのではなく、
その理由まで含めて考えて自分なりの理解を進めて頂きたいと思います。
【2010/06/11 20:40】 URL | フィジカル系職人 #- [ 編集]


返事有り難うございます
あやうく
誤解するところでした
【2010/06/12 20:54】 URL | あっきー #8BVVCO5Y [ 編集]


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フィジカル系職人

Author:フィジカル系職人
職業:マッサージ・鍼治療院経営
   アスレティックトレーナー
生息地:群馬
本名:佐藤 暢彦

身体のこと、治療のこと、スポーツのこと、などなど。日頃考えていること、興味を持っていることについて、書いていきたいと思います。

このブログについて:更新作業は治療室内のMacで行なっていますので、早朝や深夜、休業日の木曜に更新されることは基本的にありません。



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