感覚派アスレティックトレーナー  身体と会話する日々
マッサージ師、鍼師であり、アスレティックトレーナーでもあるフィジカル系職人が、身体について、スポーツについて、その他よしなし事について綴る、教養系?ブログ
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ベアフットランニング リーバーマンの主張は変!? vol.4
ダニエル・E・リーバーマンは、彼の論文
Foot strike patterns and collision forces
in habitually barefoot versus shod runners
"(抄録)で、
もっと重要な報告と予測をしている。
それは、
「硬い路面上でさえ、forefoot strikeの裸足のランナーは、
 靴を履いたrearfoot strikeのランナーよりも
 小さな衝撃力(collision forces)しか生み出さない」
と報告し、それ故に
forefoot strikemidfoot strikeランニングは、
 現在ランナーに高率で発生している接地の衝撃によるケガから
 足と下腿を守ってくれるかもしれない(may)」
と推量を進めている。
しかし、彼の言っている衝撃力(collision forcesまたはimpact)とは、
片足が接地している間に発生している全地面反力を指しているのではなく、
そのうちの一部(接地最初の20ミリ秒間ほど)の地面反力のことを
言っているようなのだ。

彼の論文中の図(Figure 1)を参照する。
図中のabのグラフはそれぞれ
裸足とシューズ履きでrearfoot strikeの時の
接地中の地面反力(衝撃力)の変化を表している。                 ※1
図1中のcのグラフは、裸足でforefoot strikeの時の
接地中における地面反力の変化を表している。
縦軸が地面反力垂直成分)の強さで、横軸が時間である。             ※2

rearfoot strikeであるグラフabは、
二峰性(二つの山がある)なのに対して、
barefoot-forefoot strikeであるグラフcは、
なだらかな山一つの一峰性のパターンを示している。
rearfoot strikeでは二つの山があるが、
一つ目の山は足接地直後から急激に地面反力が高まって
尖ったピークを作った後一度力が下がり、
途中からもう一度なだらかに力が上昇して
もう一つの山(ピーク)を形作っている。

二峰性の方の最初の尖った山(ピーク)は、
接地最初の20ms(ミリセカンド=1/1000秒)にも満たない時間に出現する。
リーバーマンの言う衝撃力(collision forces)とは、
この一つ目の山(ピーク)のことであることは、
同じ論文中の図2(Figure 2)のグラフ中で
上の方にグレーと赤で示した図をみればわかる。
グラフaは赤い線の長さで地面反力の強さ(大きさ)を、
グラフbは(恐らく)で地面反力による仕事率を表し、
それぞれについてrearfoot strikeforefoot strike
比較しているのである。
しかし、よく考えると(いや、ちょっと考えればわかるが(笑))、
forefoot strikeは一峰性なのだから、
最初の山(ピーク)と言うものが存在しない。
存在しないものの大きさとか仕事率とか、
どこから出してきて比較すると言うのだろう?

二峰性の方の最初の山(ピーク)を取り除くと、
残った形はabcの形作る地面反力の曲線(山)は
良く似ていると言っていいであろう。
そして、二峰性の一つ目の山(ピーク)の高さ(地面反力)よりも、
二つ目の山(ピーク)の高さ(地面反力)の方が高いのである。
言い換えると、二つ目の山(ピーク)の方が地面反力が強いのである。
図2を見てもらえばわかるが、
二峰性の二つ目のピーク(地面反力)の高さ(強さ)と
一峰性のピーク(地面反力)の高さ(強さ)は、
ほとんど変わらないように見える。
つまり、接地全体をみれば、
二峰性すなわちrearfoot strike地面反力のピークの値も
一峰性すなわちforefoot strike地面反力のピークの値も
違いがないのである


リーバーマンは、
地面反力の大きい山(ピーク)同士を比べないで、
より短い時間しか続かずより小さな地面反力しか生じていない
rearfoot strikeの最初の山(ピーク)のみを
ランニング障害の原因として取り上げているのである。
より大きな力の方を取り上げず、
より大きな力積(持続時間が長い/影響が大きい)というものを取り上げず、
             ※3
ランニング障害のリスクを語っているのである。
こんな主張は私には子どもだましのように見える


話はさらに続く。



※1 地面反力(衝撃力)

走っているときに地面に片足が着いていれば、
地面は足裏を通じて圧されている。
その紙面が足裏に圧されている力は、
言い方を返れば身体が足裏を通じて
地面から押し返される力でもある(作用–反作用の法則)。
この、身体が足裏を通じて地面から押し返される力を
地面反力と言う。
(サーフェスの違いによって床反力と言うこともある。)
また、走っている時の地面反力は
最大で体重の数倍にもなり、
それが非常に短い時間(約0.1~0.2秒程度)に
足に直接伝わることから接地時の”衝撃力”とも解される。
(バイオメカニクスの専門家ではないので、
 私の理解と説明には誤りがあるかもしれないことをお断りしておく。)


※2 地面反力(垂直成分)の強さ

この図1のグラフでは、地面反力のベクトルのうち
垂直方向に働く力を縦軸にとっている。
この他に水平(前後成分)と同(左右成分)の力も働いているが、
通常垂直成分の力が最も大きい。
このグラフでは、水平成分の力を絶対値ではなく、
体重の何倍に当たるかで表している。
つまり、グラフ縦軸の0.8とは、
体重の0.8倍であることを表している。


※3 力積

力積(りきせき、Impulse)は力の大きさと力が働く時間を掛けあわせたもので、
他の物体の運動量をどれだけ変化させるかをあらわす。
(wikipedia より)

図1(Figure 1)のグラフabcにおいて、
曲線と横軸との間に挟まれた面積が力積である。
この面積が(力積)が大きい(広い)ほど、
一歩の間に地面から足裏(身体)に及ぼされた累積のエネルギーが
大きかったことを意味する。
(バイオメカニクスの専門家ではないので、
 私の理解と説明には誤りがあるかもしれないことをお断りしておく。)


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Author:フィジカル系職人
職業:マッサージ・鍼治療院経営
   アスレティックトレーナー
生息地:群馬
本名:佐藤 暢彦

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このブログについて:更新作業は治療室内のMacで行なっていますので、早朝や深夜、休業日の木曜に更新されることは基本的にありません。



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