感覚派アスレティックトレーナー  身体と会話する日々
マッサージ師、鍼師であり、アスレティックトレーナーでもあるフィジカル系職人が、身体について、スポーツについて、その他よしなし事について綴る、教養系?ブログ
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全速力と全力は違う! 世界陸上ベルリン2009
ボルトが北京オリンピック100m決勝で、力を抜いたとか、横を向いたとか、
手を下げたり胸を叩いたりした
のに世界新記録だったから、
真剣に走れば極端にタイムが違っただろうと言われたり、           ※1
今度の世界陸上でも100m二次予選で
隣のベイリー選手と顔を見合わせて笑いながら悠々ゴールした
とか、
そんなことが話題になりました。
200mでも途中から力を抜きながら走っています。
しかし、スプリント種目においては加速し最大スピードの達したら、
そのスピードを落とさないことが一番大切なこと
なのです。

加速というのは物理学(ニュートン力学?)で言っても、
力を加えなければスピードは増しません。
しかし、スピードの維持なら空気抵抗さえなければ
力を加える必要はありません。
実際は空気抵抗もあるし、一歩一歩足を接地するたびに減速しますが、
それは加速しているときでも同じことなので、
その上でさらにスピードを増すために必要な力を加える加速に比べたら、
やはりスピード維持の方が力(エネルギー)を使わなくてもできる可能性が高そうです。

実際、スピードを維持する能力・技術が高くなると、
力(エネルギー)をセーブできるのでリラックスした走りが可能になります

心身のコントロールのあり方からすると、
むしろリラックスした方がスピードを維持した走法が可能になります

技術論的には、(しつこいようですが)
世界陸上第2日(8/16)の感想とスプリント技術について』で書いたような
走技術・走フォームがスピード維持には有利であり、
イメージするにはボルト選手の走るフォーム(特にリラックスしている予選など)を
そのまま思い浮かべるといいでしょう。

男子100m決勝で真剣に走っているボルトの写真
 パウエルの右脚が早いタイミングで、前に引き出されようとしていることに注目!
 その為、左足の接地時には、右膝を身体の前に出すことができる
 体幹が真っ直ぐに立ち、強い体幹が右脚の素早い引き出しを可能にしている
 ややつぶれ気味なのが、絶好調では臨めなかったことを証している!?

男子100m二次予選でベイリーと笑い合いながら走るボルト
 上の写真と見比べると、ボルト選手の腕の振りが小さくなり、
 その分太腿の上がりがやや低くなったくらいで、
 ほとんどフォームに違いが出ていないことに注目!

全速力でありながら股関節・肩関節がリラックスでき、
体幹が強く姿勢のバランスが良いから体軸が安定し、
腕や首(頭)の動きにある程度自由な動きを許しても
体幹や股関節(脚)運動の調節で受け止めることができます。

覚えているでしょうか?
アテネオリンピックの男子100m準決勝において、
アメリカのクロフォード選手(今回200mに出場)と
ガトリン選手(優勝.後ドーピングで資格停止)の二人が、
ゴール前20mくらいからお互いの顔を見合い、何か叫びながら、
ほとんど半身に近い姿勢でゴールしました。                 ※2
その時二人とも9秒台であったと記憶しています。
ボルトのパフォーマンスは、
陸上競技(スプリント)界で始めてではなかったのです。

最大のスピードで走ること、つまり全速力で走るとは、
全力で走ることではないのです。
リラックスすること、リラックスできるフォームで走ることなのです。

ですから、ボルト等が力を抜くのは最高スピードまで上がってからで、
ボルトぐらいの力があると端から見てもわかるくらいリラックスした走りでも
減速が小さいから他の選手に追いつかれないのです。
その点で言うと、一部メディアが伝えたボルトのコメントどおり、
北京オリンピックのときの方が調子が良かったのでしょう。


※1 もしも、ボルト選手が北京オリンピックの100m決勝で真剣に走っていたら

ちょうど今回の世界新記録ぐらいのタイムだったのではないかと思う。


※2 ほとんど半身に近い姿勢で走った

半身に近い斜めに身体を向けていましたが、
腰のところから上体を捻っていたわけではない。
身体全体を斜めに向けていた。
その際、両腕は体側やや腹側に降ろしていたと思うが、
こうした動きこそ、まさに「ナンバ」走りではないかと思う。
もちろん半身になって走ったから「ナンバ」と言ったわけではなく、
ちゃんと正面を向いていても、
不必要に身体を捻らず、体幹(胸郭~骨盤)を締めて、
脚を身体の前で捌くフォームは、
「ナンバ」と呼んで差し支えないと思う


もっとも、「ナンバ(走り)」と言う言葉は便利に使われたが、
それを説く方々の間で統一された定義は無いように見えるから、
わざわざ外国人の動きを「ナンバ」と呼ぶ意味もないのだが。


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Author:フィジカル系職人
職業:マッサージ・鍼治療院経営
   アスレティックトレーナー
生息地:群馬
本名:佐藤 暢彦

身体のこと、治療のこと、スポーツのこと、などなど。日頃考えていること、興味を持っていることについて、書いていきたいと思います。

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