感覚派アスレティックトレーナー  身体と会話する日々
マッサージ師、鍼師であり、アスレティックトレーナーでもあるフィジカル系職人が、身体について、スポーツについて、その他よしなし事について綴る、教養系?ブログ
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『絶対、足が速くなる!』に触発されて書きました
先日、本屋で『絶対、足が速くなる!』(日刊スポーツ出版社)という本を見つけ、
少し立ち読みしました。

この本では、
伊藤章氏(大阪大学体育学部教授・同大学陸上競技部部長)へのインタビューで  ※1
世界一流の短距離走者の走動作の特徴が、
川本和久氏(福島大学人間発達文化学類教授・同大学陸上競技部監督)への    ※2
インタビューでは具体的な技術論とコーチ法が語られています。
この二人のお話の内容自体は、私には目新しいことはなかったのですが、
重要なポイントが語られているので、
速くなりたい・誰かを速くして上げたいけど
どんな技術が必要なのか詳しくない方は必見でしょう


その他にレッシュ・トレーニングとかを提唱している広戸聡一氏や
プロトライアスロンコーチの青山剛氏が載っていたんですが、            ※3
読む気がしなかったので読みませんでした。
その他にも、高野進氏や伊東浩司氏、
その他幾人かが取り上げられていました。(読んでません。)

上であげた本で、伊藤章氏はバイオメカニクス的な研究の結果から、
腿(膝)を上げる高さと疾走スピードとの間には、相関関係がない。」
(速く走るには腿を高く上げなくてはいけないというのは間違い。)という点と
速い選手ほどキック時に支持脚の膝が伸びるスピードは低い。」
(速い選手は、接地している支持脚の膝の角度を変えない=膝を伸ばさない)という点の
2つのことを強調してました。

このうち、膝を高く上げることが速く走るために必要がないという分析結果が、
短距離の基本トレーニングである「ももあげ」否定へとつながりました。
私は、これには二つの誤解があると思っています
一つは、「ももあげ」(マック式ドリル)は腿を高く上げることが目的ではなく、
片方の腿を引き上げることを意識することで
もう一方の脚が地面を押す力を強くすることが目的であるということです。
目的と言ったら言い過ぎかもしれませんが、
ももあげによって支持脚の地面を押す力や感覚が高まる効果があるというメリットを
ももあげを語る上で考える必要があると思います。
ですから、「ももあげ」ドリルは、今も効果的なトレーニングとして
取り入れる価値があると思います。                        ※4

もう一つの誤解とは、
速く走るためにはももが高く上がらなくても良いということではなくて、
最低限ある程度はももが高く上がっていることは条件になっている

と思うということです。

それは、長距離走の記録と最大酸素摂取量の関係に似ているのだと思います。
遅いランナーと一流ランナーとでは、最大酸素摂取量に差があります
しかし、一流ランナー同士を比べると、
最大酸素摂取量が高い順に速いというわけではありません。
一流ランナーの間では、皆ある水準以上の最大酸素摂取量を誇るが、
記録や勝敗を分けるのはその他の要素にかかっているということです。
(ケニア人トップランナーと日本人トップランナーの間でも
最大酸素摂取量に差はありません。)

スプリンターにとっての腿も、高ければ高いほど良いというわけではないが、
高い方が有利であるとは言えると思います。
特に近年の高速化には、後半でも腿が高く上がることが貢献していると思います。
ウサイン・ボルト、タイソン・ゲイ、アサファ・パウエルのフォームを見ると
そのように感じられます。


川本和久氏は、伊藤氏にはない視点を持っています。
それは、骨盤や体幹のことです。
川本氏は、骨盤を立てることが重要と考えています
そして、骨盤を前傾させ過ぎてもいけないとしています。
この視点には私は大いに共鳴しています。


※1 伊藤章

陸上競技短距離走の疾走動作を科学的手法(バイオメカニクス)で研究している。
この分野では、日本の第一人者の一人であろう。


※2 川本和久

福島大学陸上部の監督として、数々の優秀な短距離選手を育てた。
教え子の中から女子の100m、200m、400m、400mハードル、
走り幅跳びの日本新記録を樹立した選手や、
世界陸上競技選手権やオリンピック代表選手を輩出している。
2006年3月から、ナチュリルアスリートクラブの監督を兼任している。


※3 広戸聡一氏と青山剛氏の記事は読む気がしなかった

広戸氏の○○タイプ、△△タイプとかいうのは、
ちょっとどうかな?と思う。
私には賛成できない。
青山剛氏は、ランニングコーチとして紹介されていたが、
本来トライアスロンコーチであり短距離走は専門ではないはず。
長距離走が速いことを「あしが速い」と表現することには違和感があり、
この本で青山氏を取り上げることは意味がないと思う。
写真でランニングフォームを見たが、
(長距離ランナーとしても)あまり感心しなかったので
やはり記事は読まなかった。


※4 「ももあげ」ドリルは、今もやる価値がある

私が大会トレーナーの一員として加わった
世界室内陸上競技選手権前橋大会(1999)や世界陸上競技選手権大阪大会(2007)では、
世界中のスプリンター達のウォーミングアップやトレーニングを見たが、
両大会で多くのスプリンターが「ももあげ」を行なっていた。
トレーニングの目的や効果を、見える形からだけで判断すべきではないと言うことだろう。


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Author:フィジカル系職人
職業:マッサージ・鍼治療院経営
   アスレティックトレーナー
生息地:群馬
本名:佐藤 暢彦

身体のこと、治療のこと、スポーツのこと、などなど。日頃考えていること、興味を持っていることについて、書いていきたいと思います。

このブログについて:更新作業は治療室内のMacで行なっていますので、早朝や深夜、休業日の木曜に更新されることは基本的にありません。



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