感覚派アスレティックトレーナー  身体と会話する日々
マッサージ師、鍼師であり、アスレティックトレーナーでもあるフィジカル系職人が、身体について、スポーツについて、その他よしなし事について綴る、教養系?ブログ
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続『Tarzan 547号』を読む
Tarzan 547号(2009年12月10日号)』の97ページからの
「知っておきたい基本のキ。『ターザン』式筋トレ検定。」からの問題中、
答えや解説に納得のいかない設問について書きます。


問08では①アームカール、②ハイクリーン、③スクワット、④ベンチプレスの4種目を
最も安全で効率よく行える順番」を4択で問う問題でしたが、
正解は②④③①だそうです。
理由としては、
・パワーエクササイズ → 大筋群・多関節エクササイズ → 小筋群・単関節エクササイズ
・多関節 → 単関節 
・上半身 → 下半身(交互に)
・体幹部は最後に行う
・押すエクササイズ → 引くエクササイズ(交互に)
というエクササイズ配列の原則があるからだというのです。

特に目指す競技がない方、
あるいは筋肉を肥大させること自体が目的なら
スピードの速く技術難度の高いパワー系を先にやることに異存はありませんが、
競技スポーツのアスリートの場合には
その逆を行うメニューも有効であろうと思われます

競技特有の運動能力を向上させたい場合、
主要な筋を筋トレで肥大させ筋力をアップさせるだけでは不十分で、
向上した筋力をその競技の動きに近づけたり
即した動きの中で発揮させるトレーニングを行うことが必要
です。
例えば、垂直跳びをアップさせたい場合、
レッグエクステンションやスクワットよりも
ハイクリーンや垂直跳びの方が
実際の動きや筋力発揮の仕方に近いことになりますから、
レッグエクステンションや
スクワットの後に(主要な筋が十二分に活性化させられた後に)
ハイクリーンや垂直跳びを行う組み合わせを取ることにも
合理性があることになります。

スプリント能力
(膝をできるだけ曲げない/反動を使わない)10回連続の
垂直跳び
の高さ(平均)との間には
正の相関関係がある(関連性が高い)
そうです。                    ※1
そこで、私はスプリント能力を向上させたい者には、
スクワットの後に(膝をできるだけ曲げない/反動を使った)
10回連続垂直ジャンプを行うメニューを組むことがあります

(連続垂直ジャンプのかわりに立ち5段跳びにすることもできます。)          ※2

「上半身が先で、下半身が後」という順序は、根拠がよくわかりません
2足歩行の私たち人類は、
常に下半身(脚)に加重してエクササイズしている状態なので、
トレーニングルームに行った時点で
下半身の筋はある程度活性化してトレーニング準備ができています。
ですから下半身から始めた方がやりやすいと思われます。
ただし、目的などによってどちらを先にしてもいいと思います

また、直接この問題では関係しませんが、
エクササイズ配列の原則として「体幹部は最後に」と書いてありましたが、
力の生まれる大元は体幹部であると考えれば、
最初に体幹部に刺激を入れて活性化させていくことが、
特に立位で行うスクワットやハイクリーンなどを
安全かつ効率よく行う上で重要

と私は考えます。
ですから、私の場合は
「体幹部エクササイズをトレーニングの最初に」と決めています。

以上のことから、
この問08の答えは単純に筋肥大させたい人のトレーニングであれば、
②④③①という「正解」どおりでいいのですが、
選択肢にはなかったのですが④②①③でも④②③①でもよいと言えます。
競技アスリートや身体の動きの完全を目指す人には、
④③①②(回答の(B))でも③④①②(回答の(A))でも
③④②①でも③①④②でもいいのではないかと思います。


問27「筋トレに関する話の中で全くの迷信は?」という問いには、
(A)筋トレをすると筋の収縮速度が落ちる
(B)筋トレをすると柔軟性が低下する
(C)筋トレをすると背が伸びなくなる
の3つから答えを選択する設問で、正解が(A)だとしています。

これは明らかな誤りだと思います
筋線維は、トレーニングによっては
収縮速度の遅いものに移行する
ことは知られています。
逆に速い筋線維に移行する現象は発見されていません。)
低~中強度の抵抗・ゆっくりとした動き・高反復回数(RM×セット数)で
追い込んでいくトレーニングでは、
筋線維が収縮速度の遅いものへと移行していく恐れがあります。
また、高重量であってもゆっくりとした動きで行なえば、
やはり筋の収縮速度はより遅いものへと適応してしまう恐れがあります。
もともと速筋線維の割合の高い(筋収縮スピードの速い)人は、
筋肥大を最大に狙ったトレーニングを
それ単独で行なっては筋の収縮速度を低下させる恐れがあります


柔軟性については、十分な回復時間を取らないとか、
エクセントリックな収縮ばかり起こさせるような負荷をかけて
日常的に極端に組織損傷を起こしてばかりいるなど、
不適切なトレーニングであれば筋自体の柔軟性が低下することは
よく見られます

(しかし、筋肥大しすぎたからと言って、本当に柔軟性が低下するのだろうか?
 筋は本来大変に可塑性があり正常な筋は分厚くても簡単に薄くつぶれるので、
 「筋同士が当たり柔軟性が低下することがある」という説明には承服しかねます。)

背が伸びなくなる」かどうかは、科学的には証明されていない
と思います。
不適切なトレーニングをすれば必ず影響が出るとは思いますが、
適切なトレーニングを行えば身長にマイナスに働くとは考えられません。
骨端線への影響も物理的な力が成長を妨げるのかはわからないでしょう。

成長期におけるトレーニングが身長の伸びを阻害するとしたら、
最も考えられる原因はエネルギー・栄養の不足だと思います。
成長・発育とトレーニングの両方に十分な量の
エネルギー・栄養が毎日摂取できていれば、
筋トレが身長の伸びを阻害するということはないのではないでしょうか?
筋トレによって成長ホルモンの分泌が促されることは、
身長を伸ばすことには有利に働きます。
もしも、身長の伸びが阻害されるとしたら、
栄養以外では成長ホルモンの分泌が阻害されることが考えられるでしょう。
筋トレでそのようなホルモンの分泌異常が起こるとしたら、
相当なストレスが筋トレによってかかっているということで、
それはその筋トレが甚だしく不適切なものであることを
示唆しているものと思われます。
(以上は「もしも筋トレすることで身長の伸びが阻害されるということがあったとしたら」
 という仮定の話です。)

甚だしく不適切で誤ったやり方で起きることを、
筋トレ自体に原因があるとすることは、
その評価自体が誤っていると考えます。
(エネルギー・栄養不足なら栄養の問題。
 成長ホルモン分泌の阻害ならストレスなどの問題。
 運動内容が持久走でも球技でも同じことは起こりえるので、
 筋トレ固有の問題ではありません。)

以上のように、
筋トレそのものに背が伸びることを阻害する要因が備わっているということは、
やはり科学的に全く証明されていないと思われます。
ということで、この問題の正解は(C)とすることが適切であると思います。

私の知らない科学的な根拠をご存知の方は、是非コメントを寄せてください。)


※1 スプリント能力
   (膝をできるだけ曲げない/反動を使わない)10回連続の垂直跳びの高さ(平均)との間には、
   正の相関関係がある

『跳び科学』(1990,大修館書店=廃刊/編著)等の著書で有名な
スポーツバイオメカニクス学者深代千之氏(東京大学教授)が、
財団法人 スポーツ医・科学研究所に勤務していたときに書いた物を
読んだ記憶がある。
当時はスポーツ医・科学研究所において、
陸上短距離選手達に連続10回の垂直跳びテストを施していたようである。


※2 立ち5段跳び

やはり、スプリント能力との相関が高いと言う。
大学生の時代にそう教わったと記憶している。



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フィジカル系職人

Author:フィジカル系職人
職業:マッサージ・鍼治療院経営
   アスレティックトレーナー
生息地:群馬
本名:佐藤 暢彦

身体のこと、治療のこと、スポーツのこと、などなど。日頃考えていること、興味を持っていることについて、書いていきたいと思います。

このブログについて:更新作業は治療室内のMacで行なっていますので、早朝や深夜、休業日の木曜に更新されることは基本的にありません。



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